熟年離婚を進める上での注意点・ポイント

熟年離婚を進める上での注意点・ポイント

熟年離婚で特に注意しなければならないのは、離婚後の経済的生活基盤を確保できるかどうかです。

特に女性はある程度の年齢を重ねていると再就職が非常に困難になるケースが多く、生活していくだけの安定的な収入を得られるかどうか、じっくり考えなければなりません。

 

 

まずは現在の生活と、離婚後の生活の違いを現実的に考えた上で、収入がどれだけ変わるのか、生活費がどれだけ変わるのか、自分はどれだけの変化まで譲歩できるのか、を書き出して見ましょう。

そして次に、果たして自分は生活をしていけるだけの経済的生活基盤を持っているのか、また、どのようにすれば生活基盤を確保できるのかを考える必要があるでしょう。

具体的には、「年金分割」、「財産分与」といった制度の利用のほか、実家に戻る、子供・友人と暮らす等も考慮に入れて、離婚後の生活からできるだけ不安をなくす努力をしなければなりません。

不安を軽減し、安心して離婚後の生活を営むためにはどのような手順を踏めばよいのか、その重大な問題を考えるに当たっては、経験豊富な専門家に相談することをお勧めします。

熟年離婚の方法

どちらか一方が離婚を申し出たあとに辿る道筋はいくつか考えられます

①話し合いの末に復縁(調停委員の復縁案(同居する案と別居する案の双方あります。合意内容のうち婚姻費用(生活費)の支払等重要なものについては調停調書にすることもできます)への同意を含む)
②協議離婚
③調停離婚
④裁判離婚

一般的には、まずは夫婦の間で離婚についての話し合いをして、協議離婚を目指します

そして、当事者間での話し合いによる合意が無理であれば、次に家庭裁判所に調停を申し立てて「調停離婚」を目指します。

調停が不成立となった場合には、さらに訴訟提起をして「裁判離婚(和解離婚を含む)」を目指すという順になります。

しかし、熟年離婚においては、なるべく多くの離婚給付を受けられるかどうかが離婚後の生活を左右しますので、一般的な道筋をたどる前に、まず、周到な準備が必要となります。

前述の年金分割についてしっかり把握しておくことや、財産分与を間違いなく受けるための財産保全をしておくことなど、やらなければならないことがいくつもあります。

離婚の手続き、財産の保全に関する申し立て等について、一度法律家に相談することをお勧めします。

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弁護士 鈴木軌士

弁護士。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、離婚の解決実績を多数持つ。不動産分野にも精通しており、離婚に関する不動産問題にも詳しい。事務所には心理カウンセリングが併設されており、法的なケアと精神面のケアを行うことができる。

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