ADHDの特徴

ADHDの特徴

男女別で、ADHDの特徴をあげてみようと思います。

ADHDの人はこんな一日を送っています。

回りからこんな事を言われたり、行動しています。

男性編

・ぎりぎりに起きる。慌てて会社から持ち帰った書類を鞄に入れる。携帯電話が見つからない。妻が朝食をすすめても、「なんで起こしてくれなかったんだ。もう遅いよ」妻(何度も起こしたのだけど)
・駅まで走る。乗る電車に遅れる。「また遅刻だ!」シャツは汗でぐっしょり濡れてしまう。
・会社では上司から言われた会議用の見積書が出来上がっておらず、どこへやったか、机の上(書類が山積み)をひっくり返してようやく見つけるが、会議に遅れる。

その他の特徴(男性)

「折り返しの電話を忘れる」
「会議中にペンをカチャカチャ」
「人の発言に割り込む」
「借りた物を返さない」
「早とちりが多い」
「上司とケンカをして会社を辞める」
「転職が多い」
「電話料金などの支払いが遅れる」
「スピード違反、駐車違反が多い」
「他の人をせかす」「誘惑に弱い」
「責任感ない」
「詰めが甘い」
「だらしがない」
「根気がない」
「そそっかしい」
「不注意なミスが多い」
「経費の計算を早くこなせない」
「アイディアは良いけど、段取りが下手」
「先の見通しが甘い、見通せない」
「時間の管理が下手、期限が守れない、ギリギリになる」
「『ほうれんそう』ができない」
「いつも貧乏ゆすりをしているなど、落ち着きがない」
「やるべきことをやり遂げられない」
「書類の作成(簡単なものなのに)、入力が苦手」
「のりはいいけれど、きちんとできない」
「長い書類を読むのが苦手」
「グズ」
「いいかげん」
「調子が良い」
「食いつきはいいのだけど」
「やればできるのに惜しい」

このように周りから言われたり、指摘されることがADHDの男性に多いです。

女性編

・朝が苦手。子供の弁当作り、朝食の準備におおわらわ。子供をお越し、朝の支度をなかなか言うことをきかない。みんなが出かけた後、ぐったり疲れてぼんやりテレビを見始める。
・献立を考えるのが面倒、行き当たりばったりで買い物をする。家に帰って必要な物を買い忘れたことに気づく。先週買ったお肉を使い忘れ駄目にする。
・何かを取りに2階に行ったが、何を取りに来たのか忘れてしまう。かわりに、そこに放ってあった昨日の、山積みになった洗濯物をたたみ始める。変な臭いで、鍋が焦げていることに気づく。
・夕方子供が帰って来て「あーもうこんな時間(時間の経つのを忘れてしまう)」。あわてて夕飯の準備をする。掃除機はかけっぱなしで放置されている。
・「保護者会の出欠の紙を出して下さい。と先生が言ってたよ」と子供に催促される。そう言えば、子供の学校の連絡網を回すのを忘れていたと気づく。子供の勉強を見てやらなければと思いながら、雑用に追われてできない。

その他の特徴(女性)

こんなことも日常的にあります。

「流しには食器がうずたかく積まれている(片付けが下手)」
「家事の段取りができない」
「家計簿がつけられない」
「いざというときの備えがない」
「ジムに通うはずだったのに、今日も行けない」
「あれこれ興味を持って手を出すが、続けられない。(ペン習字の教材などが放置されている)」
「計画的でない」
「だらしがない」
「きちんとしろよ」
「片付けが下手」
「子供のしつけが行き届かない」
「気が利かない」
「手順が悪い」
「抜けている」
「いいかげん」
「あてにならない」
「ぼんやりしている」
「いつもギリギリ」
「あわてん坊、そそっかしい」
「要領が悪い」
「思いつきで行動する」
「ずぼら」

このように配偶者や周りの人から言われることがある。

ADHDの男女の特徴の違いでは、女性の場合、不注意優勢型が多いようです。

また、もともと男の子は活発で活動的というイメージで、元気なことはいいことだと容認される傾向にありますが、女性が多動、衝動性優勢型の場合「女のくせに」などと、批判されやすいこともあります。

また女性は家庭全般を取り仕切る役割を持つことが多いので、その分担が多く、ADHDの女性はより困難を感じやすいことも特徴です。

ADHDの人が大人になると、子供時代のようにいろいろ配慮して指導してくれた先生や手助けしてくれた親はいなくなります。

代わりに上司や同僚、配偶者の目があり、殆どの場合、その人たちは助けてくれるというよりも、ADHDの人に対してやるべきことを自力で達成することを求めます。

このように大人の場合、自己責任として任される部分、つまりADHDの人の苦手な部分が仕事に直結してきます。また家庭生活でも子供時代とは異なり、やるべき家事や子育てなど責任が大幅に増えます。

ADHDの人は不注意、多動性、衝動性が表れやすい「脳のつくり」をしていて、前頭葉や腹側線条体という部分に障害が見られます。基本的にはADHDの原因は生まれつきのものですが、環境からの影響も見逃せません。

遺伝的には同じ資質を持っていても、環境が整っていればADHDを発症することは少なく、経済的、社会的、家庭的環境が整っていないとADHDを発症しやすくまた重症化する傾向も強くなります。

ADHDもアスペルガー症候群と同じく、会社の上司や同僚、配偶者の脳の機能障害であるADHDを理解し接していくことが大切であります。

ADHDの診断基準

診断基準

A.(1)および/または(2)によって特徴づけられる、不注意および/または多動性-衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの:

(1)不注意:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである:
注:それらの症状は、単なる反抗的行動、朝鮮、敵意の現れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。青年期綱紀および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。

(a)学業、仕事、または他の活動中に、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする(例:細部を見過ごしたり、見逃してしまう、作業が不正確である)。
(b)課題または遊びの活動中に、しばしば注意を持続することが困難である(例:講義、会話、または長時間の読書に集中し続けることが難しい)。
(c)直接話しかけられたときに、しばしば聞いていないように見える(例:明らかな注意を逸らすものがない状況でさえ、心がどこか他所にあるように見える)。
(d)しばしば指示に従えず、学業、用事、職場での義務をやり遂げることができない(例:課題を始めるがすぐに集中できなくなる、または容易に脱線する)。
(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である(例:一連の課題を遂行することが難しい、資料や持ち物を整理しておくことが難しい、作業が乱雑でまとまりがない、時間の管理が苦手、締め切りを守れない)。
(f)精神的努力の持続を要する課題(例:学業や課題、青年期後期および成人では報告書の作成、書類に漏れなく記入すること、長い文書を見直すこと)に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
(g)課題や活動に必要なもの(例:学校教材、鉛筆、本、道具、財布、鍵、書類、眼鏡、携帯電話)をしばしばなくしてしまう。
(h)しばしば外的な刺激(青年期後期および成人では無関係な考えも含まれる)によってすぐ気が散ってしまう。
(i)しばしば日々の活動(例:用事を足すこと、お使いをすること、青年期後期および成人では、電話を折り返すこと、お金の支払い、会合の約束を守ること)で忘れっぽい。

(2)多動性および衝動性:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである。
注:それらの症状は、単なる反抗的態度、挑戦、敵意などの表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。青年期後期および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。

(a)しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする、またはいすの上でもじもじする。
(b)席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる(例:教室、職場、その他の作業場所で、またはそこにとどまることを要求される他の場面で、自分の場所を離れる)。
(c)不適切な状況でしばしば走り回ったり高い所へ登ったりする(注:青年または成人では、落ち着かない感じのみに限られるかもしれない)。
(d)静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない。
(e)しばしば“じっとしていない”、またはまるで“エンジンで動かされているように”行動する(例:レストランや会議に長時間とどまることができないかまたは不快に感じる;他の人達には、落ち着かないとか、一緒にいることが困難と感じられるかもしれない)。
(f)しばしばしゃべりすぎる。
(g)しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう(例:他の人達の言葉の続きを言ってしまう;会話で自分の番を待つことができない)
(h)しばしば自分の順番を待つことが困難である(例:列に並んでいるとき)。
(i)しばしば他人を妨害し、邪魔する(例:会話、ゲーム、または活動に干渉する;
相手に聞かずにまたは許可を得ずに他人の物を使い始めるかもしれない;青年または成人では、他人のしていることに口出ししたり、横取りすることがあるかもしれない)。

B.不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していた。

C.不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況(例:家庭、学校、職場;友人や親戚といるとき;その他の活動中)において存在する。

D.これらの症状が、社会的、学業的、または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある。

E.その症状は、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみに起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安症、解離症、パーソナリティ障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない。

「『DMS-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(2014)
日本精神神経学会(日本語版用語監修)p58~59,医学書院 」より抜粋

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弁護士 鈴木軌士

弁護士。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、離婚の解決実績を多数持つ。不動産分野にも精通しており、離婚に関する不動産問題にも詳しい。事務所には心理カウンセリングが併設されており、法的なケアと精神面のケアを行うことができる。

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